議 会

2025.11.06

135億8000万円

京都市会、令和6年度の決算を審査する9月市会が終わりました。
今回、私は一般会計決算を認定しない立場に立ち、討論を行いました。
討論原稿を添付します。
今回の決算委員会の調査の中で出てきた135億8000万円という金額。
これは京都市行政全体の業務のIT化に伴うシステム構築・保守点検・更新の費用です。
この金額に見合う業務の効率化が図られているか、市民サービスの向上につながっているかなどの点検が必要だと感じています。
今、国は「DX化」「標準化」を進めており、標準化にかかる費用はおよそ11億円、補助されていますが、いずれにしても税金です。
国全体ではどのくらいの費用がかかっているのだろう?
税金が一方向に吸い取られているようなことになっていないか?
企業収益が上がった分はしっかりと再分配されて、お金が循環していくような税制になっているか?
ますます多様な市民によるチェック機能が必要と感じています。
以下、最終本会議討論原稿です。
↓↓↓
私は令和6年度決算において報第2号一般会計再入歳出決算を認定できなかった理由について討論いたします。
まず京都駅橋上駅舎・自由通路整備事業ですが、令和6年度決算額は1億1615万円、翌年度繰越額が7億2640万円、令和13年度までで103億3580万円の予算が組まれていますが、これは駅舎の整備であり、本来はJRが負担すべきではないでしょうか。折しも、J R西日本の2026年度連結純利益は1150億円と過去最高を更新する見込みのようです。
これだけ利益が上がっている事業者の整備費を税金で補助するのは疑問です。
続いて多文化共生社会の推進についてですが、観光に来られたり日本で暮らすことを選択される外国の方が増える中、観光政策、住宅政策、社会保障政策、教育環境など、受け入れ側が早急に整備すべき問題は多々ありますが、昨今のインターネット上のデマを含む外国の方への差別・ヘイト投稿は見過ごすことができません。
ネット上の差別投稿のチェックについて、市独自で予算化はされていません。
京都府では数百万円の予算規模で、ネット上の人権侵害の実態把握のため、府立大学と連携して月1回程度チェックをされ、表現の自由と照らし合わせた上、問題ありと判断した投稿については、京都地方法務局等へ削除要請されています。
ここ数年は、年間40件程度とのことです。
現状を鑑みますとこのチェック機能だけでは十分ではありません。
京都市には全国的にも貴重な人権問題に特化した研究機関である世界人権問題研究センターがあります。ぜひその知見を活かし、京都市独自のチェック機能を予算化をするか、もしくは実効力のある条例制定を求めます。
続いて商工振興対策決算についてですが、スタートアップエコシステム推進プロジェクトと企業立地促進予算については合わせて6億円以上の決算額となっており、約200件の新規立ち上げ企業への家賃補助なども含まれます。けれど立ち上げ後の企業の継続状況などの後追いがされていないため、効果の程がわかりません。
一方で長年市民生活に密着してきた商店街への支援事業の決算額は4790万円、個人商店への支援策も融資預託金制度があるとはいえ、予算配分に偏りがあるのではないでしょうか。
個人事業主の多くが加入されている国民健康保険滞納数は令和6年度末で23814世帯でした。令和7年度には値上げをしており動向が心配されます。
現在、都市計画においても市内各地、特に京都駅東南部エリアでの再開発、高さ規制緩和など計画されていますが、活性化というときにその地域で長年暮らし、お商売を営んでこられた方への影響は十分に配慮されているでしょうか、ジェントリフィケーションという言葉も取り沙汰されていますが、地価が上がり家賃が上がり続けては地域の暮らしが破壊されてしまいます。
新たな雇用創出、担税力の強化のための施策と同時に、人口減少対策としても家賃値上がり規制や国民健康保険への補助、低廉な公営住宅の整備などが必要ではないでしょうか。
産業創出と市民生活を支えていくバランスの再考をお願いいたします。
最後に公営企業決算については認定の立場ですが、交通局における市民還元の決算額について、ポイントサービスに移行したこともあり令和6年度は9800万円でした。
一日乗車券などをなくす以前の4億5000万円から大幅に減っています。
このポイントサービスのためのシステム整備に4億5000万円、ランニングコストは毎年2700万円かかっています。
今後、市民優先価格の実現の際にはこのポイントサービスは継続されるのでしょうか?
クレジットやQ Rコード乗車の実現のためにもさらにシステム整備が必要と思いますがこれまでの整備が無駄にならないよう要望します。
これに伴って調べたましたところ、京都市全体で、令和6年度情報システムに係る決算額は135億8000万円で、このうち国の標準化以降にかかる国庫補助額は11億4000万円とのことです。
ここ数年のシステムの価格決算額は100億円前後となっています。
これだけの費用がかかっていることを市民に周知をし、業務の効率化や市民生活への還元について、そして環境負荷の面でもメリットデメリットの精査をしっかりと行う必要があると考えます。
以上、要望も交え私の討論とさせていただきます。
ご清聴ありがとうございました。