議 会

2025.03.01

財政調整基金のこと

カレンダーをめくったら3月は酒井駒子さん。

2月27日の本会議で、令和6年度(2025年3月末まで)の補正予算428億7900万円が可決されました。

補正予算案に対して共産党さんから修正案が出され、私はそちらに賛成をしたのですが「少数につき」修正案は否決されました。

共産党さんの修正案がどんなものだったというと、令和7年度の国民健康保険料の値上げを回避するために、今回の補正予算でそもそも組まれていた国保料の引き上げ抑制への支援35億3900万円に、さらに32億円を増額するというものでした。

その財源は、補正予算案の中で、財政調整基金に積立てる101億6100万円(令和6年度の税収増加分)から32億円をあてるというものです。
修正案の説明を27日の本会議で玉本なるみ議員がされていますので来週以降、京都市会HPにアップされる録画でご覧ください。

財政調整基金とは 災害などの不測の事態や年度間の財源不足に備えるため、決算剰余金などを積み立て、財源が不足する年度に活用する目的の基金、とされています。

つまり貯金。
一般的に財政調整基金の適正額は標準財政規模の約10%とされています。
ということは、京都市の令和6年度予算は2月の補正を合わせると一般会計予算1兆222億円となりますから、財政調整基金は1000億くらい必要だよ、ということになります。

今回の補正予算を合わせた京都市の財政調整基金残高は184億7700万円ですから全然足りない。
全然足りない状態は今に始まったことではなく、
ここ20年の財政調整基金の積立状況を見ると、数億円から多くても36億円で推移しており、2019年、2020年はなんと基金がゼロだったのです。
2021年度から(いきなり)90億円となり、その後、年々積立額を増やしてきています。

この基金の増減を行財政改革の成果と見るか?
税収増の影響と見るか?
国からの地方交付税の増減の影響と見るか?
「見方」によって今回の共産党さんの修正案への賛否は分かれるところと思います。

今年度は基金積立は当初予算で421億円、さらに令和5年度黒字のための追加の積立が876億円、それに加えての今回の補正でさらに102億円積み立てるというものでした。
自治体の予算は、国の予算や、徴税のあり方(どこからどんなふうに徴収しているか)、国から自治体への配分の仕方、税金の使い道の精査など、多岐にわたって検討しないと、簡単に正解は出せないと思っています。
財源不足だからと削減削減で必要な住民福祉を削るような緊縮財政では本末転倒だと思っていますが、ではどうするのか?

専門家や政治家だけではなく、
「わたしたちのことをわたしたち抜きで決めないで」
という主語で語る市民参加が、多様に増えていくことが大切と思いつつ、今回は共産党さんの修正案に賛成をしました。