草の根プロジェクト

2024.08.13

視察報告②

7月末、草の根プロジェクトでは京都電子工業株式会社(K E M)さんに会社見学を受け入れていただき、南区の第3工場と第2工場に伺いました。
K E Mさんは研究用や医療用の分析計、そして環境計測機器の製造販売をされていて、顧客の半分が官公庁や自治体です。
環境計測機器とは、排ガスを分析する塩化水素計や、ばいじん計、水銀計、水分・塩化水素計、ふっ化水素計、排水を分析する全りん・全窒素計などを指します。
昭和52年の大気汚染防止法の拡大強化に伴って、ゴミ焼却場の煙突から出る煙を分析する塩化水素濃度計のニーズが高まりました。
KEMさんの塩化水素濃度計は国内のシェア7~8割。
京都市のゴミ焼却施設にも設置されています。
ちなみに日本は、ゴミ焼却場密集国で、世界中の焼却場の半分以上が日本にあるそうです。
海外ではゴミは埋め立てが中心だそうです。
国の法律が改正されるに伴って、環境計測機器もまた進化をし続けてきている、その中でK E Mさんは自治体の施設規模に応じてきめ細やかに機器を改良してこられたそうです。
京都市では大気汚染防止法に上乗せして自己排出規制値を設定しており、かなり厳しい規制となっていることもご教示いただきました。
今回、現場の製造過程も拝見させていただいたのですが、どちらの現場でも公共性の高い環境製品を作ってらっしゃる職員の皆様の高いモチベーションが伝わってきました。
特にガラスの部品については緻密な管を手仕事で製作されていて本当に素晴らしく、驚きました。
議会ではさまざまな場面で「公共か民間か」という議論がされます。
自治体の仕事は、公金(税金)で市民生活の安心安全を確保していくことですが、その際、市の直営だけでなく、民間企業も多く寄与してくださっていること、議会としては公金の使い道をしっかりとチェックして公平性を担保する必要がありますが、「公共も民間も」ともに大切、というかその分け方そのものを見直していく時なのではないかと考えます。
今後は政府が煤煙に含まれる水銀の規制見直しの方向とのことで、現状はどのように分析をされているか(手計測をしているところも多いそう)、京都市ではどうか?など、今後ヒアリングをしていきます。
お忙しい中、見学を受け入れていただき丁寧にご案内いただきましたK E Mの皆様、ありがとうございました。
ゴミ焼却施設である南部クリーンセンターや焼却灰の最終処分場(エコランド音羽の杜)はこれまでに見学してきていたのですが、京都市の焼却灰の7割近くが運ばれているのは音羽の杜ではなく、大阪湾のフェニックスなので、今後はそちらにも見学に伺いたいと思っています。