草の根プロジェクト

2024.03.11

「パブリックコメント制度を知ろう」報告

先週は草の根プロジェクトの事務所で「パブリックコメント制度を知ろう」というタウンミーティングを開催しました。お話ししてくださったのは、大学院で自治体のパブコメについて研究したり、「パブリックコメント普及協会」を設立して活動したりと、パブコメという制度を使っていかに市民の声を拾っていけるのかを考えている吉岡久恵さん。
吉岡さんは「対話型パブコメ」や「出向型キャンペーン」などを実際に実施して、普段は自ら意見を言わないサイレントマジョリティーから意見を引き出す活動を続けてきました。そういった活動の成果なのか、他の理由があるのか、全国市町村の1案件あたりの平均意見数が京都市はダントツで多いのです。

とはいえ、このタウンミーティングに参加した人たちの多くはパブコメで本当に政策が変わるのだろうかとモヤモヤしていたのですが、それに対して吉岡さんはパブコメの意見が政策に反映されることはほとんどないとはっきり答えました。パブコメの意見で政策が変わることの危険性も指摘してくださいました。この制度の限界を知ることは大切ですが、でもだからといってパブコメが意味がないというわけではないとも。

パブコメを実施することによって、政策のことを市民が知る機会になります。また、意見が多かったり、内容が多様である状態が続くと、行政や議員などは無視できなくなります。パブコメを通した市民参加の積み重ねは大切だとお話ししてくださいました。もちろん、この制度をより意味のあるものにすることも重要。過度な期待をせずに、この制度を市民側も使っていくくらいの気持ちでいたいですね。(春山)