草の根プロジェクト

2023.10.17

「ひとりでも、愉快に生きていく~働き方篇」報告

10/8に開催した「ひとりでも、愉快に生きていく~働き方篇」にご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。「ひとりでも」シリーズの2回目でしたが、初めて来てくださった方も多く、呼びかけ人含め14名が集まりました。20代から60代まで幅広い世代、多様な経験をもつ方々と活発に話し合うことができ、感謝いたします(^^)

当日の議論の様子を一部シェアさせていただきます。ご関心を持ってくださった方は、ぜひお気軽に今後の会にご参加ください。

今回は、ひとりの個人が経験する「働き方の変化」も大きなテーマになりました。

私を含め、「非正規をしながら別の働き方を目指している」という方が複数おり、困っていることとして次のような点があがりました。

・非正規で働く勤務先で、改善点を提案しても聞き入れられない。そのことで実際にトラブルが起きたときに正社員は守ってくれず、矢面に立たされる。

・有期雇用の「5年ルール」があるため、5年で勤務先を変えないといけない。そもそも非正規は職場の人間関係が築きにくいが、このルールによって長期的な関係が形成できない。また、勤務先が次々に変わることで、仕事の習熟や貢献の点でもマイナスになる。

(学校現場でカウンセラーや教員が非正規ですぐにいなくなってしまうことは、子どもにとってもマイナスではないか)

・新しい活動を始めるには体力やエネルギーが必要だが、働きながらだと、だんだん疲弊してくる。働か方を変えるには、個人として卓越した力やエネルギーがないと無理なのかと思ってしまう。

さて、左京区にはたくましくサバイブしている個人事業主やフリーランスの方が多くいますが、参加者のなかにも、「企業や組織での安定した働き方から個人事業主へ」という方向転換を経験した方が複数いました。その方々の意見です。

・組織で働くことに違和感が大きくて個人事業主になったが、後悔はないものの不安定であることは事実。いまは若い人たちに対してこの生き方がいいと自信をもって言えない。セーフティーネットや老後の生活保障がしっかりしていれば、もっとこういう生き方を選べる人が増えるのにと思う。

・取引先の相手と相性が悪かったり相手がパワハラ的な場合でも、こちらの立場が弱く、その会社との仕事をやめるわけにはいかないという大変さもある。

・自分が不得手なことは他の人に任せたり、周りと協力したり助けてもらうのが大事。資金集めについても、新しいやり方を試してみて、できることもある。

他にも、大学生の方のリアルな職業観や、井崎さんが非正規で労働組合を作ったお話など、さまざまな観点から議論することができました。

個人的な感想として、働き方を変えた「その後」も生活や仕事の大変さはなくならないということを感じました。また、「個人として生き抜く力」を身につけるとともに、「仲間や周囲と協力できること」「社会制度として変えるべきこと」にも目を向ける必要があると思いました。他者との協力や社会制度の変革といった行動を起こすには時間や気持ちのゆとりも必要で、いまは自分が生きることに必死になりがちですが、こうした会を開いて皆さんと議論を重ねていくことも、周囲や社会とつながる一歩なのだと感じています。また次回、皆さんとお会いできるのを楽しみにしております(栗)。